この記事では、トルコリラと円の交換レートが0円に達する場合の影響に焦点を当てて考えます。
「トルコリラが価値を失い、無価値になる可能性はあるのか?」
「実際に0円になるのはあり得るのか?」
と疑問に思っている読者向けに説明します。
主なポイントとして、トルコリラが0円になる可能性について、過度に懸念する必要はないと言えます。
トルコリラの価値が低下を続ける可能性はありますが、近年の動向を見ると3円付近が底値とされています。
特に、2023年に予定されている大統領選挙で政権が交代すれば、トルコ経済にとってプラスとなり、リラの価値が回復する可能性も考えられます。
その際には、スワップポイントを狙った購入戦略が有効となるでしょう。
(その前までは、売り戦略の方が適しているかもしれません)
- トルコリラが0円になるとどうなるか?
- トルコリラ/円が0円に到達する前の自動決済
- 投資家が準備すべきこと
- トルコリラ/円の将来的な最低価格予測
- 推奨される今後の取引戦略
- 10年後のトルコリラの展望
- トルコリラの価格下落に影響する主要因
- トルコリラで成功した人と失敗した人の特徴
- トルコリラ保有の利点とリスクの評価
- 10年後の展望に基づいた戦略的取引
トルコリラが0円になるとどうなるか?
トルコリラが大幅に価値を落とし、0円に到達するシナリオを検討しました。
このような極端な状況への直接的な解答は見つかりませんでしたが、
おそらく、通貨の取り扱いを停止するか、ポジションが自動的に解消されることが初めに考えられます。
これらが実際の対応策として挙げられます。
トルコリラ/円が0円に到達する前の自動決済
あるFX業者の規約には、以下のような記述がありました。
「業者の判断で、特定の通貨ペアの取引を停止することがあります。
その際、取引終了の適切な期間を告知し、顧客は指定された日までにポジションを清算する必要があります。」
指定された期日までに清算されない場合、FX業者によってポジションが自動的に清算されることになります。
このような措置が講じられることは有力であり、0円になる瞬間に損失が発生するわけではないことが示唆されています。
つまり0円に到達する前に、自動的に清算される可能性が高いということです。
投資家が準備すべきこと
上記の措置が講じられることが予想されるため、トルコリラ/円が0円になることに関する心配は不要かもしれません。
しかし、大きな損失を避けるために、知っておくべき事項があります。
・取り扱い停止の通知を定期的にチェックし、自動清算を避ける
・トルコリラ/円を保有している場合、早期に損切りを実施する
・購入時には、分析に基づいた根拠で行動する
・スワップポイントよりも価格変動の影響を重視する
これらの点について詳細に説明します。
取り扱い停止の通知を定期的にチェック
FX業者から、取り扱い停止通知が発される可能性があるため、定期的に情報を確認しましょう。
通知を見逃した場合、取り扱いが停止され、指定期日までにポジションを清算していなければ、自動的に清算されます。
この時、不利なレートで取引される可能性があります。
通知をチェックし納得できるレートで、あらかじめ清算できるようにしておきましょう。
保有している場合は早期に損切り
0円に近づく前に損失を回避するためには、トルコリラ/円を保有していれば、速やかに損切りをすることが肝心です。
これまでの価格の動きを考慮すると、トルコリラは価値が下落しやすい傾向にあります。
期待外れとなった時は速やかに損切りし、損失を最小化しましょう。
歴史を振り返ると、「スワップポイントを上回る価格変動による損失の可能性が高い」ということが明らかです。
スワップポイント狙いの購入は推奨されません。
分析に基づき根拠を持って購入する
トルコリラ/円を購入する際には、テクニカル分析やファンダメンタル分析を利用し、購入の根拠を明確にすることが重要です。
「スワップポイントを多く得られるから」という理由だけで購入すると、価値が下がった際に損失を被るリスクが増大します。
「価格変動からの利益獲得」を基本方針とし、将来的に価値が上昇すると分析された場合に、購入することが望ましいです。
トルコリラ/円の将来的な最低価格予測
今後、トルコリラが0円という価値を完全に失うことは難しいとされています。
しかし、5円まで下落することは想定されています。
現在のトルコ経済は、高インフレ率、金利の低下、政治的な不安など、数々の課題に直面しています。
ファンダメンタルズ分析によれば、トルコリラは今後も価値が下がりやすいとの予測が立てられています。
推奨される今後の取引戦略
トルコリラ/円取引で損失を避けるための戦略を提案します。
①ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の結果、トルコリラは価値が下がりそうであるため、ショート(空売り)が推奨されます。
②価格が下落するにつれ、「割安に見えるから購入したい」という心理が働きがちですが、急落中の通貨を購入することはリスクが伴います。
「落ちるナイフを掴まない」という格言に従い、価格が回復する兆しを確認してから購入することが賢明です。
安値での購入失敗例は多く、反面教師とすべきです。
③0円になったとしても、損切りをしなければ実際に損失が発生するわけではありません。
FX業者が定めるロスカットルール(証拠金維持率に基づく)に達しない限り、ポジションが強制的に閉じられることはありません。
つまり価値が0円になっても、長期保有戦略を採る場合、実際の損失は生じない可能性があります。
10年後のトルコリラの展望
トルコリラ円(TRY/JPY)は、高スワップポイントを提供することで知られていますが、近年は価格が下落傾向にあります。
過去10年で価値が大きく減少したトルコリラですが、今後10年で価格が回復する可能性も完全には否定できません。
トルコリラの価格下落の主な原因として「現大統領に対する不信感」があります。
新しい大統領に変わることで、国の政策が変わる可能性があります。
現在の大統領(エルドアン)の任期は2028年までとされており、短期間での経済の大幅な改善は期待しにくいです。
2022年から2023年にかけてのトルコリラ円の価格は5円から7円の間で推移しており、5円は事実上の底値と見なされています。
短期的な価格上昇を狙って、買いポジションを取るトレーダーもいます。
5円を下回ると価格がさらに下落する可能性があるため、市場の動向を継続的に監視する必要があります。
トルコとその周辺国(シリアやイスラエルなど)での紛争や、テロの動向もトルコリラの価格に大きく影響します。
トルコリラの価格予測においては、トルコの政策金利の動向も重要な要素です。
かつて24%まで上昇した金利が8%まで低下したことは、トルコリラの価格下落の背景にあると考えられます。
トルコリラの価格下落に影響する主要因
以下では、トルコリラの価格がなぜ持続的に下落しているのかを説明します。
トルコリラの価格下降の主な要因には、
・急激なインフレの増加
・政策金利の頻繁な変動
・現大統領に対する信頼の欠如
・近隣諸国の不安定な情勢
・継続的な貿易赤字
があります。
これらの要因を考慮して、トルコリラへの投資を検討することが推奨されます。
インフレ率の急増
トルコは天然ガスや、石油などのエネルギー資源の大部分を輸入に依存しており、食品や製造業の原材料も同様です。
エネルギー資源の価格上昇が、トルコのインフレ率を押し上げています。
インフレ対策として最低賃金の引き上げが行われましたが、経済的に苦境にある企業が、急に高額な賃金を支払うのは非現実的です。
これが物価の高騰と、賃金の不一致を引き起こしています。
政策金利の変動
トルコは短期間で政策金利を変更し続けており、これがリラの価値低下を加速させています。
2019年には政策金利が約24%に設定され、これによりスワップ目的で外貨を集め、国内経済を強化しようとしました。
しかし、政策金利の急な引き下げはトルコリラを保有する投資家を遠ざけ、リラの価値をさらに下げました。
2023年10月に政策金利を20%以上に戻しましたが、リラ安への懸念から投資家の買い注文は増えていません。
現大統領への不信感
トルコリラの価格下落の一因は、エルドアン大統領への信頼の欠如です。
エルドアン大統領は2014年から在職し、2023年の再選により2028年までの在職が確定しています。
2023年の選挙結果は、国民の約半分が現政策を支持していないことを示しています。
西側諸国との関係悪化も、リラ安の一因です。
2024年2月3日。トルコリラ円。TRYJPY。エルドアン大統領の「インフレには利下げ」という謎金融政策にエルカン旧総裁が45%まで金利UPをやり込んだところで辞任。ファティカラハン新総裁運営が始まる時点現在で4.825円。上値レジスタンスを越えて、かつ、世界的円安なのにまだリラ安。 pic.twitter.com/CApby1J0KX
— Oyacky:おやき (@Pratender) February 3, 2024
周辺諸国の情勢悪化
トルコは地理的にシリアやイスラエル、ウクライナなど複雑な問題を抱える国々に近く、これらの問題がトルコにも影響を及ぼす可能性があります。
特に2020年以降、周辺国の不安定化が顕在化。
2023年にはイスラエルで事実上の戦争状態にあるなど、周辺国の情勢悪化がトルコにも危機感をもたらしています。
継続する貿易赤字
2023年7月、トルコの貿易赤字は前年比14.2%増の122億ドルに達し、その後も赤字が続いています。
貿易赤字の増加は、トルコリラの価値回復が見込めない状況と、資源価格の高騰によるものです。
この問題は日本でも類似しており、円安進行とも関連しています。
トルコリラで成功した人と失敗した人の特徴
FX投資におけるトルコリラ取引は、高いリスクとリターンを伴うことがあります。
トルコリラで大きな利益を得た投資家と、大きな損失を被った投資家の特徴を探り、そこから得られる教訓を紹介します。
利益を上げた人の特徴|売り戦略を採用
トルコリラで大きな利益を得た人は、2022年から2023年にかけてのリラの価格下落を見越して、売り戦略を採用した人たちです。
例えば、トルコリラ/円が10円の時に100万通貨売りを入れ、価格が5円まで下落した場合、約500万円の利益を得ることができます。
この戦略を成功させるためには、相当量の自己資金と為替市場に対する深い理解が必要です。
リラ価格の下落を正確に予測した人たちは、大きなリターンを享受しました。
大損をした人の特徴|スワップ狙いの買い
一方、スワップポイントを目当てに、トルコリラ円の買いポジションを持ち続けた人たちは、大損をしてしまった可能性が高いです。
スワップ利益を追求する戦略は、通貨価格の大幅な下落が発生した場合、為替差損がスワップ利益を上回り、結果的に損失を招くリスクがあります。
特にトルコリラのように価格が大きく下落したケースでは、このリスクは顕著に現れます。
トルコリラで、スワップ生活を目指した人は、もれなく大損して失踪したんやで🥹
— すーまん𝕏 (@2525suman) August 25, 2023
トルコリラ投資で人生を狂わせたケース
トルコリラ投資で「人生が終わった」とまで言える事例があるかは定かではありませんが、FX投資では大きなリスクが伴うことを理解する必要があります。
特にレバレッジを大きく利用している場合、市場の急激な変動により重大な損失を被る可能性があります。
しかし、市場の動向を慎重に分析し、適切なリスク管理を行うことで、損失を最小限に抑えることは可能です。
投資は将来の市場動向を予測するものであり、過去のパフォーマンスが将来の結果を保証するものではありません。
適切な情報収集と冷静な判断が、トルコリラ投資の成功には不可欠です。
トルコリラ保有の利点とリスクの評価
トルコリラへの投資は、長期的な価値上昇の見込みと短期的なスワップ利益の獲得機会を提供する一方で、相応のリスクも伴います。
トルコリラを持ち続けることのメリットとデメリットを検討し、投資家が意識すべきポイントを明らかにします。
トルコリラ保有のメリット
①価値の長期上昇の可能性
現在の低価格から考えると、トルコリラは将来的に価値が上昇する余地があります。
歴史的な高値と比較して現在の価格はかなり低いため、価値の回復により利益が期待できます。
②スワップ利益の獲得
トルコリラには比較的高いスワップポイントが設定されているため、買いポジションを保有していると日々スワップ利益を得ることができます。
これにより価格変動が小さくても、収益を上げることが可能です。
③少額からの投資可能性
トルコリラは単価が低いため、少額の資金からでも投資を開始できます。
これは、FX取引に初めて挑戦する人にとっても、アクセスしやすい点です。
トルコリラ保有のデメリット
①価格のさらなる下落リスク
トルコ経済の不安定さや政治的な問題が原因で、トルコリラがさらに価格を下げるリスクがあります。
このような場合、保有しているリラの価値が減少し、損失を被る可能性が高まります。
②マイナススワップの発生
売りポジションの場合、マイナススワップが発生することがあり、損失を拡大させる可能性があります。
③デフォルトリスク
トルコが債務不履行(デフォルト)に至る最悪のシナリオでは、トルコリラの価値は急落し、投資家に回復困難な損失をもたらす可能性があります。
10年後の展望に基づいた戦略的取引
トルコリラ投資を検討する際は、エネルギー価格依存度、貿易赤字の持続、政治的不安定さなどトルコ経済の諸要因を考慮する必要があります。
エルドアン大統領の政策や周辺国との関係の改善が、トルコリラの将来価値に影響を与える可能性があります。
投資家はこれらの要因を総合的に評価し、トルコリラの価格が今後10年で回復するか…。
またはさらに下落するかに基づき、買い戦略または売り戦略を選択する必要があります。
投資戦略を立てる際には、短期的な利益と長期的な価値評価のバランスを考慮し、リスク管理に注意深く取り組むことが重要です。