「レバレッジの理解と借金のリスクについて知りたい!」
「借金を回避するために、どの程度のレバレッジを使用すべきか?」
このような疑念を抱えている方も多いでしょう。
ここから説明する「レバレッジの仕組み」および「債務の危険とその対策」の知識を持つことで、FXを安全に利用し借金を背負うことなく、収益を上げることが可能になります。
これにより借金を背負わない範囲で、レバレッジを駆使して収益を得ることができます。
それではまず、実際にレバレッジによって借金を背負う状況とは何か、それを紹介しましょう。
- レバレッジの借金とは追加証拠金のこと
- レバレッジに伴う借金リスク
- ハイレバレッジによる大損失の事例2つ
- レバレッジの借金を回避する方法3つ
- 適切なレバレッジ設定について検証
- 結論:初心者は3倍までが適している
レバレッジの借金とは追加証拠金のこと
FX取引において「借金を負う」とは、口座に預け入れた証拠金を上回る損失が生じ、口座の残高が負債に陥り、さらに「追加証拠金」を支払わなければならなくなる状態を指します。
追加証拠金は「追証」とも言われ、読み方は「おいしょう」です。
このような事態が発生する最大の要因は「レバレッジ」であり、次のセクションでこれについて詳しく説明します。
レバレッジに伴う借金リスク
日本では最大25倍のレバレッジを活用できるため、10万円の証拠金で最大250万円までの取引が可能で、市場が予想通りに動けば利益も25倍になります。
具体的に、レバレッジを使用しない場合(1倍)と25倍使用した場合、1ドル=100円から105円に上昇した際に利益の差がどれだけあるか計算してみましょう。
【1倍のレバレッジで購入できるドル】
10万円÷100円=1,000ドル
【1ドル=105円に上昇した際の日本円の金額】
1,000ドル×105円=105,000円
【利益金額】
105,000円-10万円=5,000円
【25倍のレバレッジで購入できるドル】
10万円×25倍÷100円=25,000ドル
【1ドル=105円に上昇した際の日本円の金額】
25,000ドル×105円=2,625,000円
【利益金額】
2,625,000円-250万円=125,000円
したがって25倍のレバレッジを使用すると、1ドルが5%円安になるだけで、元本の10万円が何倍にも増加することが理解できます。
このように少ない資本で多額の取引が可能で、高いリターンが期待できるのがレバレッジの主な利点です。
しかし予想が外れると、大きな損失を被る可能性もあることに注意が必要です。
そのため適切なレバレッジを、自身の資金に合わせて設定することが重要です。
多くのFX取引失敗者が、欲張って高いレバレッジを使用する傾向があることに言及しておきます。
ハイレバレッジによる大損失の事例2つ
急激な為替の価格変動
数年前のスイスフラン急騰事件のように、為替価格が瞬時に数円から数十円も急変すると、レバレッジを過度に活用している場合、ロスカットが間に合わず、証拠金を上回る損失が発生することがあります。
為替相場の急激な変動は、ロスカット注文が約定せず、ロスカット水準から大幅に離れたレートで取引が成立するため、大きな損失を被る原因となります。
海外口座でハイレバレッジを使用
現在の日本では、法律で最大25倍までのレバレッジが認められています。
しかし、海外のFX市場ではレバレッジ制限が緩いため、100倍以上のハイレバレッジを使用できることがあります。
このため微小な為替変動でも、証拠金が急速にゼロになるリスクがあります。
具体的な計算例を見てみましょう。
【証拠金が10万円でレバレッジが100倍の場合】
・購入できるドル: 10万円 × 100倍 ÷ 100 = 10万ドル
・1円下落した場合の損失: 10万ドル × (100円 - 99円) = 10万円
このように100倍のハイレバレッジを使用し、証拠金の範囲を超えるポジションを持つと、1%の為替変動だけで証拠金がなくなってしまいます。
1%の為替変動は、日常的に発生することがあります。
したがって、海外のFX口座で適切でないレバレッジを使用することは、非常に高いリスクを伴うことになります。
レバレッジの借金を回避する方法3つ
要約として、FXのリスクをかなり軽減する方法は、レバレッジを1倍に保つことです。
なぜなら、レバレッジを使わずに等身大のトレードを行えば、大幅な価格変動があってもロスカットのリスクが低くなります。
ただし、リスクを完全に排除することはできません。
激しい相場変動時を避ける
最初の方法は、市場が大きく揺れ動くときにはポジションを持たないことです。
レバレッジが低い場合でも、為替レートが急激に変動すれば、損失が増える可能性が高まります。
予測できない市場の荒波に巻き込まれ、急損を被るリスクがあるため、欲望に駆られず慎重に行動しましょう。
予測できない時はポジションを持たない
次に経済指標の発表など、テクニカル分析では予測が難しい場合には、ポジションを持たないことが重要です。
専門家でも時折予測が外れ、市場が急変することがあります。
例えばトランプ大統領の当選は、予測困難な出来事の一つでした。
FXは確固たる分析に基づいてエントリーするものであり、予測が難しい場合には無理にポジションを持つべきではありません。
週末にポジションを持ち越さない
最後に、週末にポジションを保有しないことが重要です。
週末には経済状況が変わり、為替レートが急落する可能性があるため、決済ができないリスクが高まります。
前週末までは問題なかったとしても、週明けに急損が拡大し、ロスカットされる可能性が高まります。
要するに、週末の市場流動性の低下と急損リスクを避けるために、週末にポジションを持ち越さないことが賢明です。
適切なレバレッジ設定について検証
初心者はどの程度のレバレッジを選ぶべきでしょうか?
それについて、1倍、3倍、10倍の3つのシナリオで計算してみましょう。
1倍でのロスカットリスク評価
最初に1倍のレバレッジを考えます。
証拠金は100万円で、ロスカット率は50%です。
1ドルが100円で、1万ドル(100万円分)を購入した場合、ロスカットされる為替レートを計算します。
【ロスカットされる損失ライン】
100万円×50%=50万円
【購入可能なドル額】
100万円×1倍÷100円=1万ドル
【ロスカットまでの為替レートの下落幅】
50万円÷1万ドル=50円
言い換えると、1ドルが100円から50円に下落すれば、ロスカットされることになります。
現実的な観点から、2011年10月31日のリーマンショック時の最低値は1ドル=77.54円でした。
そのため、1ドルが50円まで下落する可能性は低いと考えられ、実際にロスカットされる可能性はほぼないでしょう。
3倍でのロスカットリスク評価
次に3倍のレバレッジを考えます。
証拠金は100万円で、ロスカット率は50%です。
1ドルが100円で、3万ドル(300万円分)を購入した場合のロスカットレートを計算します。
【ロスカットされる損失ライン】
100万円×50%=50万円
【購入可能なドル額】
100万円×3倍÷100円=3万ドル
【ロスカットまでの為替レートの下落幅】
50万円÷3万ドル=16.666円
【ロスカット時の為替レート】
100円 - 16.666円 = 83.334円
1倍の場合、50円の下落に耐えられました。
しかし3倍に上げると、17円程度の下落しか許容できなくなります。
10倍でのロスカットリスク評価
さらに10倍のレバレッジを考えます。
証拠金は100万円で、ロスカット率は50%です。
1ドルが100円で、10万ドル(1,000万円分)を購入した場合のロスカットレートを計算します。
【ロスカットされる損失ライン】
100万円×50%=50万円
【購入可能なドル額】
100万円×10倍÷100円=10万ドル
【ロスカットまでの為替レートの下落幅】
50万円÷10万ドル=5円
【ロスカット時の為替レート】
100円 - 5円 = 95円
したがって10倍のレバレッジをかけると、為替が5円下落するだけでロスカットされてしまいます。
結論:初心者は3倍までが適している
上記の証拠金シミュレーションから、FX初心者には1から3倍のレバレッジがおすすめです。
なぜなら1倍の場合、為替が半分にまで下落しない限りロスカットの危険性は低く、3倍の場合でも17%程度の下落なら許容できるからです。